「日本語学習者のコミュニケーションの多角的解明」(日本語教育研究領域)

BTSJに基づいて文字化をする際のQ&A

これまでに寄せられたBTSJに関する質問をまとめます。

文字化について

聞き取れないところがあり、文字化作業がなかなか進まない。
始めは聞き取れなかった部分が、何度も聞いていくうちに突然はっきりと聞こえる場合もあります。もし、聞き取れない部分があってもそこに固執することなく、で きるところから文字化をしていき、後でもう一度戻ればいいと思います。
文字化は最初からPCで入力するのか?
作業者によって、楽な方法をとればよいと思います。なれてくると、PCで入力するのも楽になります。

発話文認定について

発話文の認定の仕方は基本的にどのようにすればいいのか?
構造的に「文」を成しているかどうかです。ただし、実際の音声を聞きながら判断しましょう。「話者交替」や「間」なども重 要です。例えば、構造としては倒置文と捉えられるものでも、音声を聞いてみて長い間があった場合は、2つの発話文であると認定します。
1人が長く話しているとき、どこで1発話文とるべきかどうか場合に迷う。
構造的に終わっているかどうかがポイントです。しかし、間があいている場合は切ることもあります。
間があいた部分で発話文を切るかどうか?間をどのように判断するか?
構造的に終わっているかどうかがポイントです。しかし、間があいている場合は切ることもあります。
間があいた部分で発話文を切るかどうか?間をどのように判断するか?
他の部分と比べて相対的に長いかどうか や、イントネーションを考慮しましょう。
中途終了型発話なのか、次の発話に続けるべきか迷う。
第一には、構造的な面で判断しましょう。第二の判断材料はイントネーションで、発話者が終わっているように話している場合は、そこで1発話文を区切り、中 途 終了型発話とみなします。
あいづちと笑いの扱い方について(1発話文とするか否か)
その会話におけるその話者の基本状態と照らして判断します。その会話における間の取り方や声の大きさなどの基本状態から 見て、当該のあいづちや笑いに突出し た特徴があるかどうかを判断しましょう。
BTSJでは、実質的な発話文とあいづち的な発話文を区別できるようになっているか?
Basicな部分としては、実質的であってもあいづち的であっても、「発話文」として同様に扱い、区別する記号などは特にありません。研究目的によってそ の区別が必要な場合は、発話内容セルの右側のコーディングセルを用いて、「S(substantial)」、「B(backchannel)」などの記号 で区別することが考えられます。

沈黙の捉え方について

どのくらいの沈黙が続いたら、間として捉えるべきであるか?
「話のテンポの流れの中で、少し間が感じられている時は、《少し間》 と記すが、原則として1秒以上の間は、沈黙としその秒数を 《沈黙1.5秒(秒数)》 のように記す」と定義されているように、その会話でのテンポの流れから沈黙に感じられるところは間、沈黙として捉えます。

あいづちに関すること

1発話文と認めるか否かの判断は?
基本的にそのあいづちの前後に間がある場合や、声が大きかったり特徴があったり会話の中で意味を持っていたりする場合は1発話文としてとらえます。相手の発 話内に入れてもよいあいづちは、かなり小声のものであり、相手の発話に完全に重なっているものです。
非常に小さなあいづちなどでも表記する必要があるのか?
基本的に、聞こえたものはすべて書き起こしましょう。

記号及び表記について

「?」や「??」の区別がわからない。
疑問や確認の意図で発せられる発話には「?」をつけます。語尾が軽く上がり、話者が相手に同調を求める意図が強く感じられる発話は「??」をつけます。
〈笑い〉と〈笑いながら〉の区別が難しい。
要はその場で何が起こっているかが分かるようになっていればいいので、自分の判断で〈 〉の中の書き方を決めればよいでしょう。そのデータの中で書き方が一貫していればよいです。
「JBM(Japanese Base Male)」など、会話者の記号の付け方をどうすればよいのか?
自分の実験の条件統制しだいで、自分 で判断すればよいでしょう。たとえば、親疎を操作している実験ならI(Intimate)とU(Unacquainted)という記号をつけたり、話す言語を操作 するなら、J(Japanese)とC(Chinese)という記号をつけたりするなどです。会話の流れを重視するなら(読みにくくなるなら)仮名を用いても よい。目的はプライバシーを保護することです。
会話の中で、何のことか分からないことが出てくる場合は?
できるかぎり調べましょう。本人に聞けるなら、確認をとってください。
「…」をつける基準は?
音声的ないいよどみです。発話の最後が小さくなっていたり、遅くなっていたりするものです。文の構造には関係なくつける(例えば、中途終了だからつける、 などということではありません。
文脈情報はどこまで細かく入れるべきか?
[鼻をすする音][紙に書く音][語尾は小さい声で]など、なるべくその会話が連想できる必要な情報は明記しておきましょう。

その他

会話の内容で、人格を著しく傷つけるような発話が現れた場合、どうするか?
現在当研究室に蓄積されているデータには、幸いそのような場合が生じたことがありませんが、その場合は伏せてください。伏せた上、文脈情報([ ])にそのまま記載でき ない内容である旨を記しておきましょう。
留学生や学部学生などに向けて、自然会話の文字化体験をさせ、その特徴に気づかせたい。その場合、BTSJが適しているか(複雑すぎないか)?
少しの会話でもよいから、文字化 させてみることに意義はあると思います。BTSJでは、あいづち、オーバーラップなど、自然会話に特有な現象をチェックするシステムであるので、体験した学生 はより明示的にその特徴を認識しやすくなるでしょう。
発話の重複とラッチングの区別が難しい。
ラッチングは、改行される発話と発話の間が、 当該の会話の平均的な間の長さより相対的に短いか、まったくないことを示すためにつけるものであり、発話の重複は、同時発話されたことを示すためにつける ものです。基本的に、聞こえたものを書きましょう。
コーディング項目の数に制限はあるのか?
表計算ソフト上の操作上は、数の制限はありません。ただし現実的には、1回の分析にそんなに多くの観点から分析項目を立てても収集がつかなくなるので、整理して、3~5項目くらいにするのがよいのではないでしょうか。
フォローアップアンケートをとる場合、学習者の母語に翻訳して使っているか?
宇佐美研究室には韓国語・中国語・英語の翻訳版があります。上級学習者にアンケートをとるときは日本語だけを使う場合もありますが、中級学習者にフォローアップア ンケートをとるとき、翻訳版も提示する場合もあります。

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