宇佐美まゆみ監修(2020)『BTSJ日本語自然会話コーパス(トランスクリプト・音声)2020年版』について
国立国語研究所では、機関拠点型基幹研究プロジェクト「日本語学習者のコミュニケーションの多角的解明」、サブ・プロジェクト「日本語学習者の日本語使用の解明」(リーダー:宇佐美まゆみ)の研究成果として、『BTSJ日本語自然会話コーパス(トランスクリプト・音声)2020年版』(377会話1) を公開します。
1. 公開の目的
近年、自然会話分析が数多く行われるようになり、話し言葉コーパスも様々な種類のものが公開されるようになりつつあります。しかし、会話の収集、文字化といった基礎的作業には多大な時間と労力を要することもあり、形態素解析や構文分析、音声学的分析等のためだけではなく、人間の相互作用としての「言語運用」の語用論分析に適した形で文字化され、蓄積された「自然会話のコーパス」は、未だほとんどないのが現状です。しかし、自然会話データの語用論的分析を効率的に進めていくためには、自然会話データを研究者間で共有し、活用していくことが必須です。このような趣旨に基づき、2018年には、『BTSJ日本語自然会話コーパス(トランスクリプト・音声)2018年版』(333会話)を公開しました。この度、さらに44会話を追加し、『BTSJ日本語自然会話コーパス(トランスクリプト・音声)2020年版』を公開します。
本コーパスの公開の最大の目的は、未だ質的分析に留まっている「言語運用」に重きをおいた「語用論的研究」の妥当性や信頼性を高めるために、より多くの条件統制されたデータでその知見を計量的にも検証できるようにし、人間の相互作用、言語運用に重きをおく「語用論的研究」の幅を広げ、大量データの形態素解析などのような言語形式の機械的な分析だけではなく、話者間の上下、親疎関係などの実際の言語運用や人間関係の構築に極めて重要な情報や、文レベルを超えた談話の流れ(文脈)を十分に考慮した分析を促すことによって、自然会話をデータとする言語運用、人間の相互作用の研究の発展を促進することです。ただし、もちろん、計量的分析、形態素解析等を活用した研究、また対話システム構築のための研究などにも、ご活用いただければと思います。この人間の相互作用の分析に適した形の本コーパスが分野を問わず広く利用され、自然会話をデータとする言語運用研究、言語研究の発展の一助となることを願っています。
2. 本コーパスの特徴
本コーパスの特徴は、「人間の相互作用としての会話」の対人コミュニケーション論、語用論的分析に適したコーパスであるということで、以下の5つの特徴があります。
1. 「言語社会心理学的アプローチ」(宇佐美,19992 )、「総合的会話分析」(宇佐美,20083 )の方法論に基づき、会話参加者の年齢、性別、話題などを統制したデータ群を収録する。
2. 発話の重なりや沈黙など、他のコーパスにはない、語用論的分析に不可欠な情報を付与する『基本的な文字化の原則(BTSJ: Basic Transcription System for Japanese)2019年改訂版』(宇佐美,20194 )によって文字化したトランスクリプトを収録する。
3. 「総合的会話分析」では、「会話自体」の分析のみならず、「録音された会話以外の社会的要因」の分析も重視する。そのため、各会話グループのデータ収集条件や話題、話者の年齢・性別・職業、その他の属性の情報も提供する。
4. アノテーション付きのデータを一律に提供することによって、研究の視点まで画一化させてしまうことを極力避け、各研究者の独創性を最大限引き出せるよう、分析項目については、各研究者が独自の観点からコーディングを行うことを推奨する。『BTSJ』 は、それが行いやすい文字化の原則になっている。
5.さらには、集計などの定量的分析を行うことができるツールである『BTSJ文字化入力支援・自動集計・複数ファイル自動集計システムセット2019年改訂版(以降、BTSJシステムセット)』(宇佐美,20195 )と連動させている。
このように、本コーパスに収録された会話は、グループごとに、収集の目的や、会話の条件が統制されているため、グループごとの収集目的・条件を確認した上で、研究目的に応じて、話者の属性(年齢、性別等)や対話相手との関係などの、話者の話し方に大きな影響を与える社会的要因を考慮に入れた分析をすることが可能です。また、フィラーや間、沈黙、割り込みなど、語用論的研究に必須であるにもかかわらず、他のコーパスには付与されていない情報が分析しやすい形で提供されています。これらが、本コーパスの最大の特徴であると言っても過言ではないでしょう。
3. 本コーパスの前身からの拡張、改訂点について
本コーパスには、5つの前身となるコーパスがありますが、この度、2018年度に続いて、国立国語研究所のプロジェクトの成果として、下記の⑤のコーパスに、新たに44会話780分32秒(約13時間)のトランスクリプトと音声データを追加し、『BTSJ日本語自然会話コーパス(トランスクリプト・音声)2020年版』として公開します。合計377会話、総時間5526分56秒(約92時間)の会話が収録されており、そのうち音声付きデータは247会話、3182分54秒(約53時間)です。
宇佐美研究室6 では、1997年頃から、多様な場面・言語(日本語、韓国語、中国語、英語など)の自然会話データを収集し、『BTS(Basic Transcription System)による多言語話し言葉コーパス』の構築に取り組んできました。以下に、これまでに研究成果として公開していたコーパスを参考までにまとめます。
1.『BTSによる多言語話し言葉コーパス-日本語会話1(日本語母語話者同士の会話)2007年版』116会話、1435分54秒(約24時間)
2.『BTSによる多言語話し言葉コーパス-日本語会話2(日本語母語話者と学習者の会話)2007年版』35会話、691分11秒(約11時間)
3.『BTSJによる日本語話し言葉コーパス-日本語会話1(初対面・友人、雑談・討論・誘い)』99会話、1604分(約27時間)
4.『BTSJによる日本語話し言葉コーパス(トランスクリプト・音声)2011年版』294会話、4000分31秒(約66時間)
(上記1.から3.のコーパスに、新たに44会話(約4時間)のトランスクリプト・音声データを追加。また、既存のトランスクリプトに音声データ92会話(約14時間)を追加)
5.『BTSJ日本語自然会話コーパス(トランスクリプト・音声)2018年版』合計333会話、総時間4746分24秒(約79時間)(そのうち音声付きデータは203会話、2402分22秒(約40時間))
(上記4.のコーパスに、新たに39会話753分15秒(約12時間)のトランスクリプトと音声データを追加し、また、既存のトランスクリプトに、音声データ24会話401分5秒(約6時間40分)を追加した。整備にあたっては、話者記号などを話者や会話の特徴がより分かりやすい記号に変更し、トランスクリプトの記号の表記は、当時の最新版である『基本的な文字化の原則(BTSJ: Basic Transcription System for Japanese)2019年改訂版』に統一するなど、全面的に改訂を行った)
4. 本コーパスの概要と活用法
本コーパスに収録された会話は、ひとつのフォルダにまとめられた「会話グループ」ごとに、会話収集の目的や、話者や会話の条件が記されています。会話参加者の年齢、性別、話題などが統制された形で集められていますので、様々な観点から比較・対照研究ができるようになっています。
「会話グループ」のデータの概要については、以下の表1「『BTSJ日本語自然会話コーパス(トランスクリプト・音声)2020年版』に収録されている会話データの概要」をご参照ください。また、より詳細な情報が必要な場合は、本フォルダ内の「2.コーパスに収録されているデータの情報一覧」というエクセルファイルの「①会話グループ情報」シートをご参照ください。会話データ自体は、「3.コーパスのトランスクリプト・音声」の中に、「会話グループ」ごとにまとめられたサブフォルダに入っています。「2.コーパスに収録されているデータの情報一覧」(excelファイル)で、会話グループごとの収集目的や条件を確認し、各人の研究目的に応じて必要な会話データを使用することを推奨します。
「総合的会話分析」のアプローチでは、人間の相互作用としての「会話分析」のためには、会話自体の分析のみならず、データの収集法、被験者の属性調査など、「録音された会話」以外の部分の分析も、極めて重要だと捉えています。各会話グループの実験計画や話者の年齢・性別・属性等のデータも収録されていますので、是非、分析にご活用ください。
表1『BTSJ日本語自然会話コーパス(トランスクリプト・音声)2020年版』に収録されている会話データの概要
本コーパスにおける会話の通し番号:本コーパスすべての会話(377会話)の通し番号
会話グループ番号:本コーパスにおける会話グループの通し番号
会話グループ名:デーータを収集した人がつけた会話グループの名前
各グループの会話の特徴:データを収集したときの条件などを簡潔に示したもの
会話の 通し番号 | 会話 グループ 番号 | 会話 グループ名 | 各グループの データの特徴 | 各グループ内の データ数 | 各グループの 総会話時間 | 音声の 有無 |
001-019 | 01 | 親しい同性友人同士(男女)の雑談 | 同性の友人同士の会話 | 19会話 | 444分24秒 | 無 |
020-042 | 02 | 初対面と友人同士の女性の雑談 | 女性の、親しい友人同士と初対面の会話 | 23会話 | 482分5秒 | 無 |
043-052 | 03 | 論文指導 | 教師と学生の面談の会話 | 10会話 | 311分 | 無 |
053-091 | 04 | 女性同士の断りの電話会話 | ある学生(女性)をベースに、電話で、先輩・同輩・後輩に依頼の電話をかけた会話 | 39会話 | 78分31秒 | 有 |
092-111 | 05 | 同性同士男女の依頼を含む電話会話 | 同性の友人同士の会話 | 20会話 | 53分02秒 | 無 |
112-116 | 06 | 友人同士の女性の雑談 | 女性の友人同士の会話 | 5会話 | 80分41秒 | 無 |
117-120 | 07 | OPIインタビュー | OPIインタビュー形式に基づく、フランス語母語話者の縦断データ | 4会話 | 41分25秒 | 有 |
121-129 | 08 | 韓国人学習者(中級)と日本人の初対面雑談 | 韓国人日本語学習者の接触場面データ | 9会話 | 249分 | 無 |
130-141 | 09 | 台湾人学習者(上級)と日本人の初対面雑談 | 台湾人日本語学習者の接触場面データ | 12会話 | 234分20秒 | 無 |
142-151 | 10 | 台湾人学習者(上級)と日本人の友人の雑談 | 台湾人日本語学習者の接触場面データ | 10会話 | 173分10秒 | 有 |
152-160 | 11 | 初対面女性ベース雑談(接触、母語)その1 | 20代前半の日本人女性(学生)が、対同世代の日本人女性、対日本語中級話者、対日本語超級話者と3通りの会話を行っている | 9会話 | 159分48秒 | 有 |
161-172 | 12 | 初対面女性ベース雑談(接触、母語)その2 | 20代前半の日本人女性(学生)が、対同世代の日本人女性、対日本語初級話者、対日本語上級話者と3通りの会話を行っている | 12会話 | 120分11秒 | 無 |
173-190 | 13 | 初対面男性ベース雑談(性差、年齢差) | 35歳男性が、年上(45歳)・同等(35歳)・年下(25歳)の話者(男/女)と6通りの会話を行っている | 18会話 | 299分15秒 | 有 |
191-206 | 14 | 初対面同性同士雑談(男、女) | 20代前半大学生・大学院生、初対面の雑談 | 16会話 | 268分55秒 | 有 |
207-209 | 15 | 友人同士女性雑談 | 20代女性学生、親しい友人同士の雑談 | 3会話 | 63分37秒 | 無 |
210-233 | 16 | 友人同士男女(雑談、討論) | 10代後半~20代大学生友人同士の会話、ベース話者(男女同数)が、同性/異性の友人との雑談/討論という4通りの会話を行っている。 | 48会話 | 749分55秒 | 有 |
234-238 | 17 | 友人同士男女間討論 | 20代-30代学生、友人同士の討論 | 5会話 | 88分16秒 | 無 |
239-242 | 18 | 初対面女性討論 | 20代女性、大学生・大学院生、初対面の討論 | 4会話 | 44分33秒 | 無 |
243-250 | 19 | 友人同士女性誘い | 20代大学生友人同士。話者の一方が協力者である。協力者が「気軽に行うこと」を誘うように依頼した。 | 8会話 | 172分53秒 | 無 |
251-262 | 20 | 初対面女性雑談(母語・接触) | 日本語母語話者同士の会話と、日本語母語話者と日本語学習者の会話 | 12会話 | 186分20秒 | 有 |
263-294 | 21 | 謝罪の会話 | 2人の話者が、負担度の軽い場合と重い場合の2つの謝罪場面についてロールプレイを行っている。 | 32会話 | 76分19秒 | 有 |
319-328 | 22 | 中国人女性学習者(初級、上級)と日本人友人同性同士雑談 | 中国人日本語学習者(初級5名、上級5名)と日本語母語話者の女性友人同士の雑談 | 10会話 | 262分44秒 | 有 |
329-333 | 23 | 初対面及び友人同士雑談(女性同士) | 20代前半、女子大学生同士の雑談(初対面2組、友人3組) | 5会話 | 106分 | 有 |
334-347 | 24 | 初対面(男女)雑談【音声付】 | 20代大学(院)生同士の雑談(初対面14組) | 14会話 | 226分55秒 | 有 |
348-377 | 25 | 初対面(男性同士と男女)及び友人同士雑談(男性同士)【音声付】 | 20代大学(院)生同士の雑談(初対面26組、友人4組) | 30会話 | 553分37秒 | 有 |
計 | 377会話 | 5526分56秒(約92時間) |
- データ提供者は、以下の方々です(50音順)*クリックで表示
- 李恩美、伊集院郁子、宇佐美まゆみ、カチマレク・ミロスワバ、北見奈津子、木林理恵、金銀美、木山幸子、仇暁妮、黄瓊芸、施信余、鄭賢児、鈴木(伊藤)麻美、関崎博紀、蘇玉萍、高森絵美、張鈞竹、鄭榮美、藤田朋世、松本剛次、松本紫帆、宮武かおり、林君玲
5.「コア会話」について
本コーパスの概要は表1に示した通りですが、その中で条件統制が明確で、且つ、現状では、多数を占める会話群を「コア会話7」と名づけて、まとめることにしました。「コア会話」とは、次の条件を満たすものです。話者の社会的属性が「大学(院)生」、話者同士の関係は「同等」、会話のジャンルは「雑談」、話者同士の面識の度合いが「初対面」と「既知(友人)」、会話者の性別の組み合わせが「男同士」「女同士」「男女」です。本コーパス全377会話のうち142会話がそれに該当します。
各会話グループに含まれる「コア会話」の数を、以下の表2に示します。「コア会話」のすべて、或いは、一部を分析対象として使いたい場合は、表2に記されている「コア会話」を含む「会話グループ番号」や「会話グループ名」から会話の特徴を掴んだ上で、「本コーパスに収録されているデータの情報一覧」(excelファイル)の「2 個別会話情報」シート(会話の時間や話者数などの情報)を参照し、エクセルのフィルタ機能や検索機能を使って、目的に合う会話を抽出して活用してください。これらの機能は、もちろん、「コア会話」以外の会話を検索するときにも利用できます。
表2 『BTSJ日本語自然会話コーパス(トランスクリプト・音声)2020年版』の「コア会話」の概要
会話 グループ 番号 | 会話 グループ名 | 各グループ内の 会話数 | コア会話数 |
01 | 親しい同性友人同士雑談(男性、女性) | 19会話 | 19会話 |
02 | 初対面及び友人同士雑談(女性) | 23会話 | 23会話 |
03 | 論文指導(日本人教師男女、日本人学生男女) | 10会話 | 0会話 |
04 | 女性同士の断りの電話会話(対先輩、対同級生、対後輩)【音声付】 | 39会話 | 0会話 |
05 | 同性同士の依頼を含む電話会話(男性、女性) | 20会話 | 0会話 |
06 | 友人同士雑談(女性) | 5会話 | 5会話 |
07 | OPIインタビュー(テスター男性、受験者女性)【音声付】 | 4会話 | 0会話 |
08 | 韓国人学習者(中級男性、中級女性)と日本人の初対面同性同士雑談 | 9会話 | 0会話 |
09 | 台湾人学習者ベース(上級男性、上級女性)と日本人(年上、同等)の初対面同性同士雑談 | 12会話 | 0会話 |
10 | 台湾人学習者(上級)と日本人の友人同士雑談(女性)【音声付】 | 10会話 | 0会話 |
11 | 日本人女性ベース初対面同性同士雑談(日本人、台湾人中級学習者、台湾人超級学習者)【音声付】 | 9会話 | 3会話 |
12 | 日本人女性ベース初対面同性同士雑談(日本人、ベトナム人初級学習者、韓国人初級学習者、中国人上級学習者) | 12会話 | 4会話 |
13 | 男性ベース初対面雑談(同性目上、異性目上、同性同等、異性同等、同性目下、異性目下)【音声付】 | 18会話 | 0会話 |
14 | 初対面男女、同性同士雑談(同等、目上)【音声付】 | 16会話 | 8会話 |
15 | 友人同士雑談(女性) | 3会話 | 3会話 |
16 | 友人同士雑談及び討論(同性、異性)【音声付】 | 48会話 | 24会話 |
17 | 友人同士討論(異性) | 5会話 | 0会話 |
18 | 初対面討論(女性同士) | 4会話 | 0会話 |
19 | 友人同士誘い(女性) | 8会話 | 4会話 |
20 | 日本人女性と日本人、台湾人上級学習者、中国人上級学習者の初対面同性同士雑談【音声付】 | 12会話 | 0会話 |
21 | 女性同士の謝罪のロールプレイ会話(負担の重い場面、負担の軽い場面)【音声付】 | 32会話 | 0会話 |
22 | 中国人女性学習者(初級、上級)と日本人友人同性同士雑談【音声付】 | 10会話 | 0会話 |
23 | 初対面(男女)雑談【音声付】 | 5会話 | 5会話 |
24 | 初対面(男女)雑談【音声付】 | 14会話 | 14会話 |
25 | 初対面(男性同士初対面(男性同士と男女)及び友人同士雑談(男性同士)【音声付】 | 30会話 | 30会話 |
合計 | 377会話 | 142会話 |
6. 本コーパスの引用について
宇佐美まゆみ監修(2020)『BTSJ日本語自然会話コーパス(トランスクリプト・音声)2020年版』を利用した研究を、論文等、何らかの形で発表する際は、必ず、以下の正式名称を、出典として明記してください。
【引用文献リストや資料リスト等に記載する場合】
<日本語の場合>
宇佐美まゆみ監修(2020)『BTSJ日本語自然会話コーパス(トランスクリプト・音声)2020年版』、国立国語研究所、機関拠点型基幹研究プロジェクト「日本語学習者のコミュニケーションの多角的解明」、サブ・プロジェクト「日本語学習者の日本語使用の解明」(リーダー:宇佐美まゆみ)
<英語の場合>
USAMI, Mayumi (ed.) (2020) BTSJ-Japanese Natural Conversation Corpus with Transcripts and Recordings (2020), NINJAL Institute-based projects: Multiple Approaches to Analyzing the Communication of Japanese Language Learners, Sub-project: Studies on the language use of Japanese language learners, leader: Mayumi Usami.
本コーパスが、少しでも皆さんの研究のお役に立つことができれば幸いです。
【本コーパスに関する問い合わせ先】
国立国語研究所 日本語教育研究領域
『BTSJ日本語自然会話コーパス』事務局 btsjcorpus@ninjal.ac.jp
附記:
1. 本コーパスは、平成23-26年度科学研究費補助金基盤研究A(課題番号23242027)「自然会話リソースバンク構築による世界的教材共有ネットワーク実現のための総合的研究」(研究代表者:宇佐美まゆみ)の支援を得て構築したものを、2016年度より国立国語研究所の機関拠点型基幹研究プロジェクト「日本語学習者のコミュニケーションの多角的解明」、サブ・プロジェクト「日本語学習者の日本語使用の解明」(リーダー:宇佐美まゆみ)として引継ぎ、データ整備を行った形で公開するものである。また、2018年度からは、一部、平成30-33年度科学研究費補助金基盤研究A (課題番号18H03581)「語用論的分析のための日本語1000人自然会話コーパスの構築とその多角的研究」(研究代表者:宇佐美まゆみ)の支援を得ている。
In addition to the sub-project: Studies on the language use of Japanese language learners (leader: Mayumi Usami) of NINJAL Institute-based projects: Multiple Approaches to Analyzing the Communication of Japanese Language Learners, the building of this corpus was partially supported by Grant-in-Aid for Scientific Research (A): The global study for worldwide sharing network building of teaching materials based on natural conversation resource bank: Leader Mayumi Usami, 23242027, 2011~2014, and Grant-in-Aid for Scientific Research (A): Building of a Japanese 1000 person natural conversation corpus for pragmatic analyses and its multilateral studies: Leader Mayumi Usami, 18H03581, 2018-2021.
2. 宇佐美まゆみ(1999)「談話の定量的分析 -言語社会心理学的アプローチ-」『日本語学』18(11)、明治書院: 40-56.
3. 宇佐美まゆみ(2008)「相互作用と学習ーディスコース・ポライトネス理論の観点から」西原鈴子・西郡仁朗編『講座社会言語科学 第4巻 教育・学習』、ひつじ書房:150-181.
4. 宇佐美まゆみ(2019)「改訂版:基本的な文字化の原則 (Basic Transcription System for Japanese: BTSJ) 2019年度版」(ただし、2019年以前に整備されたデータについては、それ以前のバージョンを用いている場合もある) .
5. 宇佐美まゆみ(2019)「BTSJ文字化入力支援・自動集計・複数ファイル自動集計システムセット(2019年改訂版)」『語用論的分析のための日本語1000人自然会話コーパスの構築とその多角的研究』平成30年度~令和4年度 科学研究費補助金基盤研究(A)-(課題番号18H03581) (研究代表者:宇佐美まゆみ)研究成果
6. 2007年度-2015年度は東京外国語大学、2016年度以降は国立国語研究所で構築・整備を行っている。
7. 本コーパスの2018年版では、接触場面のものもコア会話に含めていたが、現在、データ拡充中のため、2020年版では、条件を満たす母語場面の会話のみを「コア会話」と呼ぶことにした。